How Are Highly Sensitive Men Different?
HSP男性は何が違うのか？
By Elaine - 71 Comments
もうすでにご存知かもしれませんが、私はHSP男性に対して特別な思い入れを持っています。私は彼らのことが本当に好きなんです。だからこそ、HSP男性のために作られたこの映画を、多くの方に見てほしいと願っています。でも、彼らは他のHSPや、HSP以外の男性と一体何が違っているのでしょう？
最近私は徐々に、HSPについて一般化することを好ましくないと思うようになってきました。というのは、皆さんがとても多様なことに気がついたからです。皆さんには自分自身に忠実であってほしいのです（ですから、HSPと区別するために、これまである人たちを「自閉スペクトラム」としてしまったことを後悔しています。そのことが結局当事者の方たちを傷つけてしまったからです。彼らは一人一人が個性的で、中にはHSPの人たちもいたのです）。ですからここでは、HSP男性（以下HSMs）について確実に当てはまることだけ考えることにしました。
第一に、HSMsはオスの遺伝子の影響を受けて成長します。そしてその主な要因はテストステロンです。性の多様性の議論はとりあえず横に置いておいて、ほぼすべてのHSP男性は生物学的にオスであることは間違いありません（ここで私はまた誰かの気持ちを傷つけているかもしれませんね。ただ、（性のあり方について）声を上げるのもちろん素晴らしいのですが、新しい考えを取りいれるのに時間がかかる人たちがいることも心に留めておかなければならないのです）。もちろん男女の行動には、多くの共通するものもあれば、その逆もあります。しかしホルモンはその役割として、HSMsとHSP女性（以下HSWs）を、ある意味異なるものにしなければなりません。では、ホルモンと敏感さはどのような相互作用があるのでしょう？ まだはっきりしたことは分かっていません。でも確実に何かあるはずです。そして私たちはそれを知らなければなりません。おそらくこれこそ研究の第2段階なのです。
オスの進化を振り返ってみる
第2の要因は進化です。敏感さは進化する上でどのように役立ってきたのでしょう？ 私たちはすでに、敏感さが人口の20～30％を占めるまでに有効なものだということを知っています。そして男女比に差はありません。ということは、HSMsは自分たちを繁殖させるのに十分な成功をしてきたということです。
確かなのは、人間のオスも、一部の鳥や他の哺乳動物と同じような戦略を進化させてきたということです。つまり、交配した後も一緒に居続けるという戦略です。このことは、DNAはその情報を次に世代に伝えるのが目的であるとする見解とは、対照的であるように思えます。もしそうなら、できる限りたくさんのメスと交配し、その後も一緒に居続けようとはしないでしょう。この戦略を駆使するオスは、家族や母子を様々な方法で守り、また養おうとします（ただし種によって異なる）。そう、ですからオスであるHSMsもまた、保護者であり擁護者なのです。
しかし、敏感な個体の場合、自身や家族を守り養う方法は、他の個体とは異なることが研究によって示されています。例えば、敏感な鳥は、守る手段として攻撃的な方法を取りません。ゆえに研究者たちは、種の中に存在するこうした個体を”ハト”と名付けました。でも私はこの呼び方は間違ってると思います。私だったらよりふさわしい言葉として、”戦略的”を選びます。ただ、ここでは研究内容を正確に紹介するために、やむを得ず彼らの用語に従うことにしますね。
ここで頭に置いておいてほしいのは、研究者たちは、同じ種の中に見られる個体の違いについて議論しているということです。この研究ではシジュウカラでした（ええ、本物の鳥の方です（※）。シジュウカラはヨーロッパでよく見られる鳥なので研究対象になることが多い）。”ハト”以外のシジュウカラを、彼らは”タカ”と名付けました。”ハト”タイプは明らかに攻撃的ではなく、むしろ周囲の環境を注意深く探索します（DOESを思い出してほしい）。一方”タカ”タイプの方は、よく争い、探索にはあまり関心を示しません。
※訳注：シジュウカラの英語はgreat tit。titsと複数形になると女性の胸を表す。
食料が十分にある時、”ハト”タイプは”タカ”タイプに譲歩します。良い狩猟場所を彼らに譲り、自分たちはあまり目立たない場所で狩猟します。ですが、ひとたび食料が乏しくなると、”ハト”タイプの方がどこに食べ物があるかを知っています！ 周囲を探索しようとしてこなかった”タカ”タイプは、新しい食物源をすぐには見つけられないからです。これは、たとえ意識していなかったとしても、素晴らしい戦略ではないでしょうか。
人間の場合、こうした戦略は計画的に行います。それでもなお、その戦略は進化を基盤としていると私は考えます。”ハト”タイプのHSMsも、いえよりふさわしい呼び方としての”戦略”タイプの HSMsも、自分や家族が生き延びるために計画を練ります。彼らはたとえ状況が苦しい時であっても、資源をめぐって争おうとはしません。株式市場やスーパーマーケットにおいてもそうです。でも彼らは、生活するのに最も良い場所を選び、子供たちにふりかかりそうな問題を未然に防ぎ、健康上の被害を回避しながら、十分なお金を稼ぎ、またそのお金を賢く投資しています（私は、HSPはコロナワクチンを早めに打つか、もしくは感染に気をつけるので、その入院数は確実に少ないだろうと思っている）。
とは言え、種の中のハトタイプは、どうやって異性を惹きつけ、争うことなしに、メスたちとつがいになるのでしょう？ みなさん、イエローストーンの黒いオオカミのことを聞いたことがありますか？（ネットで検索するとフィルムが見つかりますよ） 彼は他のオオカミたちとはまったく異なる行動ゆえに、遺伝学者たちの研究の的となり、そのDNAは大切にされたほどです。彼は争いを避けることで知られていました。にもかかわらず、その“カサノヴァ”というニックネームからは、彼がいかに多くのメスと交配したことがわかります。そしてその方法は単に、群れのオスのリーダーが長期不在になるのを待ち、積極的に思えるメスたちを妊娠させるという方法だったのです。多くの人の興味をそそったのは、様々な場面における彼の驚くべき戦略センスです。怒った群れのリーダーに追いかけられると彼は舗装道路を渡りました。他のオオカミたちは恐れて渡ろうとせず、また、たくさんの旅行者たちが車から観察しているのを知っていたからです。なんて素晴らしい。でも私は、HSMsだったら、もっと愉快で、魅力的な戦略能力を持っているように思えます。ところでこの黒オオカミですが、とても長生きした後、最後はなんと他のオスたちと争って死んでしまいました（油断は禁物、みなさんも気をつけて）。
最後に：頭字語になっているのに気がついてくださいね
HSMsは…
S 戦略的（strategic）―行動において深い処理をする。なぜなら動物のオスは行動的でなければならず、他のオス、特に攻撃的なオスに対しては目を光らせておく必要があるから。
T テストステロン（testosterone）―HSMが女性的だと考えることではHSMを説明できない。
Y 賢く譲歩する（wise yielding）―もっと別の機会に、もっと別のやり方で、より上手く戦うために、そして“より高い収穫”を得るために譲歩する（譲歩は弱さと誤解されやすいがまったく異なる。武道、特に柔道では、自分の力をあまり使わずに、相手の攻撃を利用して相手を打ち負かす。そして自分の体力や精神力は温存する）。
L リーダーシップ（leadership）―チームや組織の中（John Hughesの記事Why HSPs make Better Leadersをご覧ください）、あるいは彼らのフィールド、芸術・科学・ビジネス・スポーツなど、自分たちが情熱を注いでいるあらゆる分野において、その独自のSTYLE（スタイル）を駆使してリーダーになる。
E 共感（Empathy）―親密な関係やリーダーシップに生かされるだけでなく、戦略上、相手が何をしようとしているのかを、本人が気づく前に察知することさえ可能である。
指定生存者としてのHSM
もう隠すまでもありませんが、私はスタートレックシリーズが（性差別的だった初回シリーズを除いて）大好きです。でもそれはSFが好きだからというわけではなく、そこに出てくる主だったキャラクターたちが、皆、善良で、英雄的で、優しいからです。私は一日おきに床でエクササイズしながら見ていただけなのですが、それでも長年見ていたせいで、それぞれのエピソードの内容をすっかり覚えてしまいました。そこで別の選択肢がほしくなりました。Netflixがご親切にも私の好みに合わせて勧めてくれたドラマがあったので、それを試してみることにしたのですが、それが、サバイバー：宿命の大統領（原題：Designated Survivor（指定生存者））でした。私はすぐにはまってしまいました。内容は過酷なサスペンスドラマで、私は通常こういったドラマを見ませんし、また他のHSPにもお勧めしません。それなのになぜ私は見続けてしまったのか？
このアメリカ政治をテーマにしたドラマでは、権力や名声にはまったく関心のない物静かな男性が、一般教書演説中に起こった大規模な爆弾テロによって政府の人間がすべて亡くなった後、大統領に指名されます。私は知らなかったのですが、アメリカではこうした非常事態にそなえて、一般教書演説には出席せずに、安全な隠れた場所で待機している閣僚が必ずいて、すべての出席者が死亡した場合は、その人物が大統領になることになっているんですね。
この”指定生存者”（トム・カークマン、※カークマンは聖職者とも読み取れる）や彼に刺激を受けた周囲の者たちが、あらゆる状況で常に善良、そして賢明（まるでエンタープライズの乗組員のように）だということがわかってくると、私はすっかりはまってしまいました。毎回のエピソードが私にとって刺激的過ぎたにもかかわらずです。夜に観ていたわけはないのですが、私のエクササイズの時間はどんどん伸びていきました。スタートレックで起こる怖ろしい問題はいつも一回か二回で解決するのですが、このドラマではそれが次へ次へと持ち越され、どんどんと膨らんでいます。ですから夜に観るのにはお勧めしません、睡眠に良くないので。
ついに私は、画面をスクロールして、後のエピソードでも彼ら全員が生き残っているかどうか確かめざるをえなくなりました（ネタバレ注意：ええ、私はとってもスリリングな小説を読んでる時も、こんなふうに最後の章を読んでしまいます。作家が結末をどうするのかはわかってますし、最後まで読んで、その作家から絶望的な気持ちにさせらるのが悔しいからです）。
でも今日やっとわかりました！ 私がこのドラマに夢中になったのは、HSMが大統領になったからだと！ 制作した人がそれを意識していたかどうかはわかりません。でも私が観たエピソードはそれを裏付けているように思えます。そのエピソードの中で、カークマンの妻は、彼が住宅都市開発長官という低い閣僚ポストに就いた時のことを思い出します。カークマンはそのポストを望んでいませんでした。手頃な住宅の建築が専門の学者でいたかったのです。しかし、より多くの人に奉仕できるチャンスだと思い、最終的にその仕事を引き受けたのです。そのエピソードでは、彼の怒りについても語られます。信頼していた人間が爆破事件の共謀者だったこと、カークマンに対していつも嘘をついていた裏切り者だったこと。カークマンは人生で初めて人を殴りたくなったことに、いえ、それ以上にその男を殺したくなったことにショックを受けます。彼はシークレットサービスに、これまでの人生で誰も殴ったことがなかったと打ち明けます。学校にいた頃、彼はいつだって仲裁者だったのです！
このドラマをお薦めしてしまいましたが、もし制作者のデヴィッド・グッゲンハイムや出演者の方につてがある方がいらっしゃったら教えてくださいね（特に主演俳優のキーファー・サザーランドに。彼のお父さんのドナルド・サザーランドは私の大好きな俳優の一人です（“普通の人々”“白く乾いた季節”の出演者として））。これだけ宣伝したんですから、彼らには私と喜んで対談する義務があると思いますよ。
